■山姥  ■鷹姫

■世田谷パブリックシアター,2018.6.23-7.1
■舞囃子「山姥」,出演:観世喜正ほか
■先に観た「楢山節考」の続きのようだ。 雪山に消えていったおりんの後ろ姿を思い出す。 そして山姥となり再び登場か? 「人生100年時代」ならあり得る。 でも舞囃子のため演劇時空が途切れてしまった。 観世喜正の声が整い過ぎていて、より抽象へ向かう舞台になっていた。
■能「鷹姫」,原作:W・B・イェイツ,横道萬里雄,演出:野村萬斎,出演:大槻文蔵,片山九郎右衛門,野村萬斎ほか
■空武麟は直面のため聞き取れたが、老人の科白を結構聞き逃してしまった。 ところで鷹姫を見ながら「楢山節考」の鴉の目付きがとても良かったことを思い出す。 解説で鴉と鷹を結び付けていたからでもある。 どちらも余分な意味を伴わない動きに感心してしまう。 鳥は目的へまっしぐらだ。 迷いある人間と自然の化身である鳥類を比較した2作品に思えた。
能のようで能ではない不可思議な感じはしたが、先月の能楽堂で観た「桜の園」のような衝撃は無い。 今回は登場人物の守備範囲が変わらないからだろう。
*狂言劇場特別版
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/performances/201806kyougen.html