■虹とマーブル

■作・演出:倉持裕,出演:小出恵介,黒島結菜,木村了
■世田谷パブリックシアタ,2015.8.22-9.6
■戦後すこし経ってからの時代設定らしい。 貿易商売をするチンピラモドキ達の登場で幕が開く。 後半に入りある事件を素材にしていたことが分かる。 ロッキード事件である。 主人公鯨井が実業家小佐野賢治にみえる。
殺人で血をみるのは二度ほどあったが裏側社会はさっぱりした表現に描いている。 人間関係もドロドロしたところが少ない。 すべてが淡泊に仕上がっている。 鯨井の突然の死は衝撃だがこの淡泊さで感情を揺り動かすところまでいかない。 ロッキード事件を思い出しながら観てしまったので集中力が弱まったのかもしれない。
題名は面白い。 芝居の象徴である階段にかけているのだろう。 役者達は舞台慣れしているせいか違和感が無い。 高校生蘭も生真面目な新鮮さがある。 物語が滑らかに感じる。 こういう舞台をエンタメと言うらしいが、広い観客層を取り込む独特な表現方式を持っているようにみえた。
*作品サイト、http://mo-plays.com/nijimarble/