■夜への長い旅路

■作:E・オニール,演出:熊林弘高,出演:麻実れい,田中圭,満島真之介,益岡徹
■シアタートラム,2015.9.7-23
■麻実れいの喋り方は特徴がありますね。 声が小さくても届くからです。 湿り気が無く乾いているからでしょう。 最初は家族関係がよく分からず椅子の痛さを感じました。 この劇場の椅子は背もたれが垂直のため圧迫感がある。
メアリの口から夫ジェイムズが俳優だったことを知ります。 彼女が麻薬患者ではないか?とうすうす感じながら前半が終ってしまう。 後半はエドモンドの難産で母がモルヒネ中毒になったことがわかります。 そして兄ジュニアのエドモンドを見る目、ジェイムズの役者の話、そしてメアリが心の奥から、それぞれの言葉を絞り出して幕が下ります。
境界をさまよう家族をリアルに描くには難しい時代ですね。 特にこの作品は酒・麻薬に浸かり過ぎている。 現代からみるとジェイムズの人々はプラスチック家族です。 帰ってから早速作者オニールの経歴を調べてみました。 今でも舞台が成立するのは作者の血肉がプラスチックから滲み出て来るからだと分かりました。
CoRich、https://stage.corich.jp/stage/62552