■三人吉三

■作:河竹黙阿弥,演出:串田和美,出演:中村勘九郎,中村七之助,尾上松也
■新宿ピカデリ,2015.6.27-(シアターコクーン2014.6収録)
■編集やカットで舞台とは別作品のようだ。 とは言っても舞台は観ていない。 チケットが即完売して取れなかったからである。 それでも歌舞伎役者の科白と存在の様式美は十分堪能できた。 美術を見てもスタッフのやる気の跡がうかがえる。
編集で切り過ぎているので、ある程度の粗筋を知っていたほうがよい。 物語を引っ張っていく燃料の百両がとても生きていた。 このカネが江戸を越え現代に迫ってくるので舞台がリアルにみえてくる。 干支の戌はさしずめ燃料オイルだろう。 おとせと十三郎の首を抱え三人が見得を切るところで幕を下ろすのが作品としてすっきりするとおもうが、客席にまで積もったサービス満点の大雪の中での刺し違えはやり過ぎだろう。
*シネマ歌舞伎第22弾作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/29/