■ウィリアム・テル

■音楽:G・ロッシーニ,指揮:A・パッパーノ,演出:D・ミキエレット,出演:G・フィンリ,J・オズボーン,M・ビストレム
■新宿バルト9,2015.7.6(ROH収録)
■流れるような演奏は心地よかった。 ロッシーニとパッパーノの相乗効果ね。 主要歌手もこの流れに乗っていたわ。 オズボーンの高音もまあまあネ。 でも合唱場面が多いから歌手の印象が薄い感じもする。 歌詞はフランス語だけどそう聞こえなかった。 仏蘭西の匂いのしない作品だからかな? オペラは言語で印象が違ってくる。 母語だと質も変わるもんね。
衣装から20世紀初頭に移し替えていることがわかる。 しかもオーストリア兵士は銃を持っているから前大戦を意識しちゃうわね。 でも林檎を射抜く肝心な場面は14世紀に戻って弓矢が登場するの。
近頃、英国発のシェイクスピア作品も時代を現代に移し軍隊の登場する作品が多くなったみたい。 舞台に最新の銃を持った沢山の兵士が登場するのは好い感じはしない。 英国舞台人は何を考えているのかしら?
床は土が盛られていてそこに机と椅子、後半は大木が横たわっているの。 でもスイスの自然は感じられなかった。 やはりスイスとオーストリアの政治的緊迫感が優先のようね。 横たわる大木も、終幕に子供が植える苗木も国家の象徴ね。
*英国ロイヤル・オペラ・ハウス2014シネマシーズン作品
*主催者サイトhttp://tohotowa.co.jp/roh/