■スカイライト

■作:D・ヘア,演出:S・D・ダルドリ,出演:C・H・マリガン,B・ナイ
■六本木東宝,2015.7.3-8
■窓の外を見ると隣のマンションが壁のように立ちはだかっている。 索漠としたキラの部屋が舞台である。 登場人物は3人。 父トムとその娘キラ、息子エドワードだと思ってみていたがどうも筋が通らない。 トムの妻アリスを含め4人の関係は少し後になって知るのだが・・。
客席(画面の)から絶え間なく笑い声が聞こえる。 笑いの源泉は何んとなしに分かるが観客の感度が良すぎるのか大げさなのか判断がつかない。 英国現代劇は観る機会が少ないので、たとえばキラがパスタを料理する調理器具の使い方や具材の加工手順など些細なところに目が行ってしまう。 また彼女が教師をしている高校?の状況にも聞き耳を立ててしまう。 でもトムの会社の話はリアルに聞こえなかった。
トムは仕事で成功した裕福層だが、キラは進んで貧困街のアパートに住んでいる。 この二人の人生観・社会観の差、過去の交際を材料として話が進む。 後半、舞台に引き込まれる対話場面が多々ある。 二人の思い込みやすれ違いが面白い。 しかし英国の階級?や政治経済を絡める要素が多い為か、家族関係や貧困問題の突っ込みも舞台感動まで集約して行かない。
ともかく現代モノはいろいろ比較できて面白い。 舞台のキラとトムは上手い役者だとおもうが独特な癖がある。 英国の観客にも同じことがいえる。 歴史モノだとこれは感じない。 日常感の違いから来るものかもしれない。 生の舞台ではないので表面をなぞるように見てしまったがいつものシェイクスピアとは違った面白さはあった。
*NTLナショナル・シアター・ライヴ作品
*作品サイト、http://ntlive.nationaltheatre.org.uk/productions/ntlout6-skylight