■ビルのゲーツ

■作・演出:上田誠,劇団:ヨーロッパ企画
■本多劇場,2014.8.29-9.7
■情報化社会ではいつも過剰に向かう。 セキュリティは特にそうだ。 この過剰を反復に置き換え面白い舞台に仕上げている。
仕事で顧客のビルに伺い入退室カードを翳して入室する場面から始まる。 しかし階ごとにセキュリティゲートがあるため最後はゲートを開けることが目的になってしまう話である。
ゲートでは他者と協力して問題を解決しなければならない。 目の前の判断はくるくる変わり、なにもかも繰り返しながら時を消費していく。 まさに人生の縮図である。
ゲート通過でクイズ問題が多くあったため途中飽きてしまった。 猛犬や猛獣や針山などアクションを伴う通過を写真編集にしたのはもったいない。 費用と時間の問題だろう。 クイズを減らし平均化すればずっと良くなる。 しかし最後のゲートを開けてビルの屋上に辿り着いた時の達成感は単純爽快でとてもよかった。 何十回もゲートを通過するだけで上演時間が2時間以上もあったが、この長さが最後の場面に効いていた。 目的も結果も不要な反復の勝利である。
*劇団サイト、http://www.europe-kikaku.com/projects/e33/