■三文オペラ

■作:B・ブレヒト,演出:宮田慶子,出演:池内博之,ソニン,石井一孝,大塚千弘,あめくみちこ,島田歌穂,山路和弘
■新国立劇場・プレイハウス,2014.9.10-28
■舞台の高さが観客席と合っていたせいかとても観やすかったですね。 背景の階段の下に楽団を置くのはよく見かけますが、音響効果として申し分のない位置です。 その階段はあまり使わなかったのですが、シマリのない劇場空間を引き締めていました。
メッキー、ジョナサン、ブラウン男性陣は強さのある科白が人間関係を分かり易く繋げていました。 ジョナサンが進行役のため余計にそう見えたのでしょう。 メッキーは直截だけど舞台に張りをだしていてよかった。
ポリーとルーシーの女同士の喧嘩は楽しかったのですが、シーリア、ジェニーらを含めた女性陣の心の繋がりはよく見えませんでした。 女性たちが裏に隠れすぎてしまった。 この部分が弱かったので盛り上がりに欠けたのだと思います。 
芝居も歌唱も抑制が効いていますね。 暴力場面などもソフトで歌唱も自然体で突出していません。 全体の調和を優先している感じがしました。 そしてこの優先は成功しています。 優等生が作った三文オペラです。
*NNTTドラマ2014シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/play/diedreigroschenoper/