■臘月記

作:岸田理生,演出:石井飛鳥,出演:虚飾集団廻天百眼
こまばアゴラ劇場,2014.6.29-7.3
「血糊が飛ぶけど大丈夫か?」と何回も念を押され心配になってきました。 席は後方を取りましたがそれでも血が飛び散りベトベトになるのでは? 希望者にはバリアー用ビニールも配っています。 開幕迄は舞台でのグッズ販売も有り繁華街の様相です。古い作品だからでしょうか? 寺山修司を思い出させる舞台です。 でも科白が随分と詩的です。 このためストーリーがよくわかりません。 母と子を含め血の繋がりの話のようです。
後半の血が飛ぶのはなんと226事件の場面でした。 銃で打たれた兵士の血が噴き出るのです。 一番前の観客は血を浴びても喜んでいる様子でした。 セーラ服姿が多いので高校生の熱狂的ファンなのでしょう。
激しい光景を詩的科白が宥めるように芝居は進んでいきます。 この絡み合いが舞台の面白さかもしれません。 寺山修司の骨を切らずに肉だけを断ったような内容でした。 縁日などで出店する芝居小屋の雰囲気もあり久しぶりのレトロ感に浸れました。
*劇場サイト、http://www.komaba-agora.com/play/1090