■劇的舞踊「カルメン」

演出・振付:金森穣,出演:NOISM,奥野晃士
■KAAT・ホール,2014.6.20-22
■パントマイムダンスを多く取り入れてより演劇に近づいている。 語りも上手い。 カルメンの原作は読んでいない。 この舞台は読んで来い!と言っているようだ。 ストーリが掴めなかった場面が出てしまい、劇的要素の一つが欠けてしまったからである。
イリュージョンは素晴らしい。 木々や机の細かいところまで目配り気配をしている。 でも建物の壁は動かすのでリズムが狂う。 それよりもこのホールは広すぎる。 これで劇的気配が薄くなってしまっている。 劇的に迫るほど劇場の質が問われる。
そしてダンサーたちは鍛えられている。 観客の抑圧された心身をも解き放ってくれる。 「劇的」を真正面から受け止めてくれる舞台人は少ない。 金森穣はこれを真摯に受け止めてくれる。
彼は1年前に原作を読み劇的感動が見えたと言っている。 と言うことで原作を読んでからもう一度舞台を観てみたい。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/CARMEN