■ダンス・アーカイヴinJAPAN-未来への扉ー

新国立劇場・中劇場,2014.6.7-8
■岩手郷土芸能「鹿踊り」から創作した江口隆哉振付「日本の太鼓」、洋舞100年を振り返る復元8小品、平山素子・柳本雅寛振付「春の祭典」の全10作品の上演である。 途中、片岡康子の挨拶が入る。 「春の祭典」を除き初演は20世紀前半である。
復元上演の小品の多くは庶民的な盆踊りや田植えなどを思い出させる。 最初に「日本の太鼓」を持ってきた理由もこの流れに沿っている。 気に入った作品は宮操子振付・中村恩恵出演「タンゴ」と石井漠振付、新国立バレエ団出演「白い手袋」の二点。
普段は感情を表に出さない中村恩恵が嬉しそうに踊ったこと、後者は形而上絵画から抜けだしたような作品で印象に残った。
いきなり21世紀に飛んだ「春の祭典」は別物に見えた。 出演は平山素子と大貫勇輔である。 この劇場で観るのは二度目だが今回も素晴らし踊りであった。
次回の予告をみると再び20世紀前半の作品を上演するらしい。 20世紀後半はアーカイブがまだ熟成していないのだろう。 洋舞のアーカイブはワインと同じである。
*NNTTダンス2013シーズン作品