■FLYING BODIES

監督:中野裕之、出演:青森大学新体操部
アップリンク、2014.1.25-2.7
体操部学生たちの溌剌とした動きは楽しかったですね。 でも映画の出来は良いとは思えません。 それは練習が本番の流れと切り離されていたことや、演出家ダニエル・エズラロウや衣装の三宅一生の意図がよく見えなかった為です。
海とそこの生物表現は素晴らしかったのですが、従来の新体操との差異が少なかった事も理由です。
今年正月、テレビで日体大「集団行動」の練習風景をたまたま観ました。 これが結構面白かった。 歩くだけで脇の下が赤く腫れ上がるのは考えられない練習量です。 しかし終盤に技術的完成の域に達しているのもかかわらず失敗が発生する。
この原因が学生たちにはわからない。 ここで監督は練習時に観客を招いてこれを克服します。 観客の力の凄さを見せつけられました。 この観客の力を受け入れられる学生の力も凄い。 日体大は軍隊方式のようで青森大との組織のあり方が逆です。
ですから青森大の学生たちや監督の「真の姿」が少しでも垣間見られたなら日体大と比較できて面白かったはずです。 残念ながらスポーツの肝心な部分を見せてくれない作品でした。