■臆病な町

作・演出:玉田真也,出演玉田企画
三鷹市芸術文化センタ・星のホール,2013.8.30-9.8
中学校卓球部合宿の枕投げで始まり終わる。 この時代は誰もが経験しているので自身の記憶と混ざり合い久しぶりの思い出が舞台に現れる。 「青春物語」は反復のカタルシルがやって来るので楽しい。
しかし中学時代は微妙である。 幼さが残っているからである。 この面白さの一つだが、役者の髭面が時々舞台に現実を持って来ていた。 また面白くする為に先生の酒盛場面を挿入せざるを得ない。 もちろん女性を引き込んでのことである。 プロフィールには忘失の驚きとニヤリを表現したいとあるから、青春物語が萎んでしまってもしょうがない。
チラシの出演者をみたら多くは青年団所属のようだ。 青年団の芝居は言葉と身体の微妙な関係が面白いのだが、この舞台は言葉の代わりに視線や微細な又は過激な動作を身体に関係付けようとしている。 この関係付けが不安定なので台詞は置いてきぼりになり漫才のような場面が多くなってしまった。 上級下級生の喧嘩の大事な結果も人形に喋らせてしまっている。 科白と身体の面白い結びつきはまだ見えない。 「臆病な町」はよくわからない題名であった。
*チラシ、http://stage.corich.jp/img_stage/l/stage37523_1.jpg?1378595237