■月光のつつしみ

作:岩松了,演出:岩井秀人,出演:劇団ハイバイ
神奈川芸術劇場・大ホール,2013.9.20-26
このような姉や妻や恋人を持ったら人生大変だな、と観ていて感じました。 でもこの見方は「大人になっていない証拠だ!」、と姉に言われそうです。 弟も姉にそう言われていましたね。
病気と健康の境界線が見えない舞台は多いのですが、しかしこれは病人だと意識させてしまう芝居です。 登場人物たちは他人を上手く受け止められませんし、自分を上手く差し出すことができません。 姉の意味への拘りや深読み、弟の突発性激怒、妻の姉への苦手意識、幼友達はまだしもその恋人の自殺の図り方・・、感動への一線を超えそうで超えられない。 脳障害等を持った病人の真似事をしているようです。 現実が混在したような舞台になっています。
ところで姉のセリフが棒読みのようでしたが、他役者との関係からもう少し自然にしたほうが面白さがでたはずです。 演出だとおもいますが、これも超えられない原因の一つです。 それと大ホールは声が響く為舞台は冷めた感じになっていました。 この感じが客観性を呼び込んでしまったのもまた原因です。