■グラン・ヴァカンス

作:飛浩隆,演出:大橋可也
■シアタートラム,2013.7.5-7
階がガレージで2階は開いた部屋が奥にあり、照明は単純な色彩だけのスッキリした舞台です。 断片的文章が忘れた頃に映し出されます。
16人のダンサーが登場しますが日常の延長にあるような踊りやしぐさで構成されています。 ダンスや演劇に近いパフォーマンスのようです。 しかしいつまでたっても舞台に寄せ付けてくれません。 日常の延長だけなので「シラケ」てしまうからです。
ダンサーたちは言葉化された内面状況を肉体へ戻したいような振り付けです。 群舞で無声で叫ぶ、歩く、もがく・・。 演出家やダンサーの頭の中はいろいろと一杯なのでしょう。
考え過ぎてトラックを1番で一周したけど結局はもとの場所に戻ってしまったような舞台です。 即興で踊っても同じようにみえてしまうでしょう。
「遠い日の思い出」あたりからリズムがでてきました。 単純な照明から近未来的な映像へと移り、無機質な中の有機的な存在感の面白さもでてきました。
原作は読んでいません。 この舞台は原作との関係が強いようで一度読んでみないと何とも言えないかもしれません。