■シレンシオ

作・演出:小野寺修二,出演:原田知世,首藤康之ほか
東京芸術劇場・プレイハウス,2013.7.2-7
面白くなかった。 感じたことを箇条書きにしてみた。
1.舞台に締まりが無い。 ダンサーが動き回る前景は緊張感が保てない雑な広さであった。
2.いつもはボケている顔をしながら獲物を狙っているような小野寺だが、今回は疲れと不安のみえる顔つきだった。 客席にいて心配になってしまった。
3.ダンサーの視線に心理的意味が含まれ過ぎている。 チラシをみると題名が沈黙・静寂とあるが、この意味の付着の為むしろ雑音のような饒舌が舞台に立ち込めていた。
4.ダンサーたちは原田に遠慮しているようにみえる。 彼女の透明感は面白いがダンサーや観客の期待に答えていない。
5.首藤のソロが目立ってしまっている。 3と4の原因からダンサーの速度ある連携ができていない為である。   静寂・静けさな舞台を直ぐに思い出せない。 民族舞踊が挿入されていたジョナス・メカスの作品を観た記憶があるが、静寂さのある素晴らしいダンスだったことを覚えている。 純粋な恍惚感のようなものが得られると静寂に近づけることは確かだ。 多分小野寺は別の方法を考えていたようにみえるが・・。