■揮発性身体論

■振付:鈴木ユキオ,出演:金魚
■シアタートラム,2012.2.3-5
■速度を意識する(特に)手足の動かし方がとても素晴らしかったわ。 速度は時間を微分したものだから身体と時間の関係が表現されていた。 これで前半は舞台に釘付けになってしまったの。 関節の動かし方も速度のズレがあり面白かった。
電球の使い方は明暗の差がイマイチだったわ。 少し明る過ぎよ。 技術がよくなっているから光との格闘がもっと必要ね。
後半も緊張感が持続したけど三人目のダンサーが登場してそれを壊してしまった。 この後は転げ落ちるように並のダンスになってしまったわ。 チラシを見たら2本立てだったのね。
後半のダンスのツマラナイ理由はいくつかあるけど、ダンサーの髪が顔を覆ってしまうのが一つの理由。 特に白服の二名はだめ。 視線の方向や目の輝き、息遣い、口の歪みなど顔は身体の一部だから。 これが観客から見えなくなるのは最悪。
緑衣装のダンサーのように髪を結うべきね。 だから4人のなかで緑服のダンサーが一番観客とコミュニケーションが取れたの。 ユキオはダンサーに髪についての指示をしなかったのかしら? 貞子が井戸から這い上がってくるのとは違うんだから。 これでは身体論をテーマにするのが恥ずかしい。