■海神別荘

■作:泉鏡花,演出:成井市郎・坂東玉三郎,出演:坂東玉三郎,市川海老蔵
■東劇,2012.2.18-31(歌舞伎座,2009.7収録)
■來世へ行った者は現世を忘れなければいけない。 「竹取物語」の昔からの決まりです。 でもそれができない。 しかし公子は愛が本物になると確信したので許す。 愛は未来へのベクトルだから。 公子と美女や側近との対話には多くを考えさせられました。
「天守物語」でもそうだったのですが、海老蔵は舞台では日常性を持ち込まないからとてもクールですね。 玉三郎は顎が老けた感じかな。 「これは歌舞伎か?」と玉三郎が言っていましたが鏡花本来の良さが出ていてとても面白く観ました。
たくさんの魚や花の名前が出てきて具体と抽象の入り混じったセリフは楽しいですね。 そして空間の広さと時間の流れがゆったりとしていて心地良かったです。 今回は音声がイマイチでした。
*シネマ歌舞伎第16弾作品
*作品サイト、http://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/17/#sakuhin