■カラマーゾフの兄弟

■振付:小野寺修二,出演;カンパニーデラシネラ
■新国立劇場,2012.2.8-12
■舞台上に床と背景だけの小さな部屋を作り7人のダンサーを配置している。 狭いので混み合っている。 ダンサー同志を近づけないと物語を進める身体的対話が生きないからだとおもう。 実際言葉での対話や感情をそのまま身体に置き換えた動きだ。
だから父と3兄弟の関係をダンスで表現したような無言劇である。 小説を読んでいないと動きの楽しさだけを追うようになってしまう。 これでは物足りない。
チラシに「マイムは他者に操られる」と書いてあるのを見て、演出家がマイム出身だとあらためて思い出してしまった。 操る・操られることを取り入れることによりダンス=身体を小説=言葉に近づけることが可能だと考えたに違いない。
これで言葉より感情面で効果が多少あったようにみえる。 しかし小説を思い出しながらダンス観るのは面白いとは言えない。 ダンスは言葉を捨てて身体だけで観たいものだ。
*NNTTダンス2011シーズン作品 
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/dance/20000460_dance.html