■奴婢訓

■作:寺山修司,演出:J・A・シーザ,高田恵篤,劇団:演劇実験室◎万有引力
■シアタートラム,2012.2.15-19
■若手俳優を起用と書いてあったけど公演数が多い作品の為か熟れていてとてもよかった。 体操器具のような道具が沢山でるから場面の切替に間延びが生じて思考が中断する問題も今回はクリアしていたしね。
この作品は寺山特有のネットリ感が少ないしセリフも機械的な喋り方があるから肉体と言葉が融け合わないの。 これはJ・スウィフトと宮沢賢治の関係にも言えるわ。 この差異をなんとかして劇的感動にまで持っていけるかがこの芝居の醍醐味かもね。
これも今回は持っていけたと思う。 多分劇場の大きさも絡んでるからよ。 前回の新国立劇場の時よりずっと冴えていた。
「神が人の前に現れないのは顔が醜いからだ・・・・・」。 ダリア?の最後のセリフは主人の不在理由を驚きの言葉にして、舞台床を転げ跳ね回り、そして静寂のあと光り輝く背景へ歩いていく終幕は最高よ。
*劇場サイトhttps://setagaya-pt.jp/theater_info/2012/02/post_264.html