■能楽堂十二月「茶子味梅」「鳥追」
*国立能楽堂十二月定例公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・茶子味梅■出演:小笠原由祠,野村拳之介,野村万禄ほか
□能・宝生流・鳥追■出演:辰巳満次郎,内藤端駿,福王茂十郎ほか
■国立能楽堂,2024.12.4
■「茶子味梅(ちゃさんばい)」は九州箱崎(福岡市)に住む夫婦の揉め事を舞台にしている。 唐人の夫が故郷を懐かしむ。 これを妻は気に食わない。 異国夫婦の面白さが出ている。
「鳥追(とりおい)」は薩摩の領主が長留守の間に彼の妻子を家来が虐める話である。 鳥追いとは稲に群がる鳥を追い払う作業を指す。 賤しい仕事だったらしい。 領主の妻子がこれをさせられるが、そこに旦那が帰ってくる・・。 「時代を越えた人々の普遍的感情と薩摩風景が一体化した作品」と解説にある。 その通りの内容で清々しい舞台だ。 また登場人物の動き、囃子や地謡の調子など全体構造がしっかりとまとまっている。 これも見事だ。 心が洗われた。 シテ面は「曲見(しゃくみ)」(河内作)。