■世界の果てからこんにちはⅢ

■演出:鈴木忠志,出演:平野雄一郎,石川治雄,飯塚祐樹ほか,劇団:SCOT
■吉祥寺シアター,2024.12.13-22
■・・舞台奥に狩野派風の襖が見え、薄暗い床に縞模様の照明がおちている。 そこへ車椅子の役者達が次々と入退場し日本と日本人を憂慮する科白を吐いていく。 結婚観や明治維新、組織論などが語られる。 途中、ダンサー6人の力強い踊りが2度入り、美空ひばりで幕を下ろす・・。 昭和時代の雰囲気が充満しています。 社会性ある内容のため感情を抑えたシンプルな流れの舞台でした。
演出家のアフタートークを聴く。 ・・「利賀村の人口は400人に減少している」「南瓜を2000個作った」「トレーニングに32か国150人が参加した、但し日本人は参加してくれない」「利賀の劇場は我々が管理しているので自由に使える、でも東京ではこれが出来ない」「役者を育てるのには時間がかかる」「同志あっての劇団である」。
「「日本について考える」をこの舞台のテーマにした」「西郷隆盛を考えてみた」「日本は地方と東京の格差が激しい」「ダンスには3か月を費やした」「吉祥寺公演は今回が最期かも」「全員を出演させた」等々を話す・・。
将来の利賀劇場をどうする?どうなる? 演出家にとってこれが悩みのようです。 事業継続は全ての分野で現代の課題になっている。 特に利賀は舞台思想を引き継ぐとなると難易が高い。 ところで、客席を見回すと若返っていますね。 中年世代が増えている。 団塊世代が劇場から急速に遠退いているからでしょう。 1960年代後半から舞台を観始めた彼らも今や後期高齢に入った。 よく行く能楽堂の客層も同じ傾向です。
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