■グラウンデッド、翼を折られたパイロット

■作曲:ジャニーン・テソーリ,演出:マイケル・メイヤー,指揮:ヤニック・ネゼ=セガン,出演:エミリー・ダンジェロ,ベン・ブリス,カイル・ミラー他,演奏:MET管弦楽団
■新宿ピカデリー,2024.12.13-19(メトロポリタン歌劇場,2024.10.19収録)
■ジャニーン・テソーリは歌手エミリー・ダンジェロの為にこの曲を書いたと言っている。 はたして主人公ジェスであるエミリーは完璧に嵌まっていましたね。 彼女の安定感ある声に痺れました。 しかもジャニーンは演劇作曲家からスタートしている。 その為かストーリーもリアルで申し分ない。
・・ジェスは空軍パイロットで「トップガン」ならトム・クルーズでしょう。 彼女は牧場主と出会い女子を出産するが、空が忘れられない。 再び空軍の扉をたたくが、職場はドローン操縦部署へ。 しかし精神的に追い詰められ遂には職務を放棄し軍法裁判にかけられ有罪になってしまう・・。
上下に二分割した舞台構造です。 上が空=空軍=職場、下が地=牧場=家庭と言ってよい。 上では激しい照明や映像が観る者を戦場へ連れていく。 科白も生々しい。 戦闘がモロに出ている場面は賛否もあるはず。 下では家庭生活が描かれる。 ジェスは上下を行き来する。 シンプルかつ機能的で良くできた舞台です。
彼女が遠隔操縦するドローンはリーパーという機種で全長20m以上ありパイロットとセンサー員の2名で構成されている。 米国ラスベガスにある空軍基地で操作をしながら中東戦地の上空 1.5万mを飛行しながら標的に向かってミサイルを発射する。
現代の戦争の一面が現れていました。 まるでゲームのように進んでいく。 登場するセンサー員は優秀なゲームプレーヤーのため空軍に引き抜かれたらしい。
しかしジェフは画面の中に子供を見つけてミサイルを発射できなかった。 彼女はゲームのような画像だけの世界から逃げたかった。 出産や子育の経験がある彼女こそ肉体が疼く古典的な戦争マシーンなのかもしれない。 「・・私は戦争!」。 ・・!
*METライブビューイング2024シーズン作品
*「ブログ検索🔍」に入れる語句は、マイケル・メイヤー ・・検索結果は2舞台.