■能楽堂十二月「川上」「正尊」
*国立能楽堂十二月特別公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・川上■出演:野村万作,野村萬斎
□能・観世流・正尊(起請文・翔入)■出演:観世清和,観世三郎太,福王茂十郎ほか
■国立能楽堂,2024.12.25
■「川上」は・・、盲目の夫が地蔵菩薩に快癒を祈願するが、それが実り目がみえるようになる。 と同時に菩薩は「妻とは悪縁のため離縁しろ」とのお告げをした。 でも離縁をせず夫は再び盲目になる生活を選ぶ。 奇跡を捨て過去からの日常を優先する話である。 奥が深い作品だ。
「正尊(しょうぞん)」は出演者が多い。 地謡と囃子を含めれば30人になる。 刺客である土佐坊正尊が義経の前で起請文を読み上げる場面には圧倒された。 声に役者の心身が充満している。 後に続く静御前の中ノ舞、義経と正尊の両軍の戦いも見応えがあった。 今年最後の能楽堂に相応しい舞台だった。