■能楽堂十二月「察化」「通小町」

*国立能楽堂十二月普及公演の□2舞台を観る.
□狂言・大蔵流・察化■出演:松本薫,島田洋海,綱谷正美
□能・金剛流・通小町■出演:豊嶋彌左衞門,豊嶋幸洋,飯冨雅介ほか
■国立能楽堂,2024.12.14
■プレトーク「恋愛妄執物の源流」(小田幸子解説)を聴く。 ・・「「通小町」は唱導師が書いて金春権守が演じ観阿弥が改作」「「百夜通い」と「あなめ」の二つの説話で構成」「前シテは「若女」「老婆」の二つあるが今日は前者」「現代的で珍しい対立対話」などなど・・。
詞章を読んだときの疑問「酒を飲まないことで救われるのが唐突すぎる」の答えとして「些細なことでも成仏できるのが仏教である」。 なるほど。
「通小町」は役者・地謡・囃子の総合力が発揮されていた。 でもシテの登場で現実に戻されてしまった。 からだの衰えがもろに出ていたからだ。 シテ役豊嶋彌左衞門は1年前の「雪」に登場していたがそこまでは感じられなかった。 80歳代が衰える速度は若い時の10倍以上に当たる。 これではシテ面「痩男」とツレ面「小面」の年齢差を元通りにできない。
「察化(さっか)」は太郎冠者の口真似が見どころである。 徹底した真似が究極に至り哲学的にみえてしまった。