■吉原御免状

■原作:隆慶一郎,脚色:中島かずき,演出:いのうえひでのり,出演:堤真一,松雪泰子,古田新太ほか,劇団☆新感線
■新宿バルト9,2024.10.25-11.8(青山劇場,2005年収録)
■いつもとは違うゲキXシネを感じました。 原作の人間味が滲み出ているのでしょう。 吉原の裏話は多いが、しかし前半は盛り上がらない。 主人公松永誠一郎が夢で過去を知った後からが面白い。 誠一郎と勝山太夫、二人の情念が完全燃焼しましたね。
傀儡(くぐつ)の民が自国として遊郭吉原を造るが、徳川秀忠に忠実な裏柳生一族はこれを邪魔する。 関ヶ原で戦死した徳川家康の身代わりになった傀儡の者が遊郭を承認したからです。 替玉家康の出身を隠す為、そして政権を脅かす傀儡吉原を滅ぼす。 これが秀忠の遺言を守る裏柳生が動く理由です。 いやー楽しい!、テンコ盛りです。
流浪民の存在と性の解放は国家権力が特に恐れることです。 これが通奏低音のように響いている。 深みが出ている。 その存在が裏にある天皇制をも照射している? いやー面白い! 高尾大夫の説得で誠一郎が吉原楼主として残るのも安定感のある終わり方でした。
*劇団☆新感線2005年作品
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