■能楽堂六月「ぬけから」「放下僧」

*国立能楽堂六月普及公演の□2舞台を観る.
□狂言・和泉流・ぬけから■出演:井上松次郎,鹿島俊裕
□能・喜多流・放下僧■出演:大村定,大島輝久,則久英志ほか
■国立能楽堂,2024.6.8
■プレトーク「放下僧、禅と仇討ち 芸尽くし」(三浦裕子)は放下の全体像を描く。 放下僧とは? 禅宗との関係(団扇、弓矢の謂れ)、世阿弥との関係(自然居士、花月等)、放下の装い、放下の芸(鞨鼓、小歌、こきりこ)、そして仇の正当化、京都「揉まるる」物尽くしを解説する。
「ぬけから」は酒を呑み過ぎた太郎冠者が主人の命を忘れてしまう話。 吞みっぷりがいい。 なんと、太郎冠者の顔が次第に赤くなってきたようにみえた!?
「放下僧(ほうかぞう)」は父の仇討ちをする牧野小次郎とその兄の話。 緊張感ある舞台だ。 弓矢の謂れ「浄穢不二(じょうえふに)」、宗旨の答え「教外別伝(きょうげべつでん)」の場では血気に逸る弟を止める兄の姿、利根信俊や従者の対応など緊迫度は120%。 シテを中心に張りつめた演技がヒシヒシと伝わってくる。 囃子の演奏も聴こえてこない程になる。 後半の芸尽くしも楽しい。
*劇場website、ぬけから・放下僧