■デカローグ9・10

■原作:クシシュトフ・キェシロフスキ他,翻訳:久山宏一,上演台本:須貝英,演出:小川絵梨子,出演:伊達暁,万里紗,宮崎秋人,堅山隼太,石母田史郎,亀田佳明ほか
■新国立劇場・小劇場,2024.6.22-7.15
■「デカローグ9」は妻の不倫を夫が悩む話、「デカローグ10」は父の遺産を子供たちが失う話です。
前者は妻の心の内を途中で見失ってしまった。 10話を振り返ると、このようなことはよくあった。 これを謎として受け取りたいが、今回は謎にしてくれない。 謎はドキドキする。
いま「十戒」の言葉をあらためて眺めているが、ドキドキしない理由は「十戒」にも原因がありそうです。 10話は西欧キリスト教的社会が持っている硬直性を描いたのかもしれない。 しかも、舞台が身をもってそれを提示したのです。