■Dance Speaks

*以下の□2作品を観る。
■神奈川県民ホール・大ホール,2022.9.3
□ウェスタン・シンフォニー
■振付:ジョージ・バランシン,音楽:ハーシー・ケイ,振付指導:ベン・ヒューズ,舞団:スターダンサーズ・バレエ団
■19世紀アメリカ開拓時代を舞台にした作品。 枯草の香りがする音楽を背景にカウボーイ姿のダンサーが舞台を走り回る。 馬が駆けまわるように。 女性ダンサーはカンカン風の振付が入っているのかな? 終章のフィナーレは華やかだったわよ。
開拓時代のイメージは西部劇に行き着く。 それはジョン・フォードの作品を思い出してしまうと言うこと。 先日、本屋で「ジョン・フォード論」をみかけたが蓮實重彦は遂に一冊にまとめあげたのね。
□緑のテーブル
■台本・振付:クルト・ヨース,作曲:フリッツ・A・コーヘン,ピアノ:小池ちとせ,内山祐大,出演:スターダンサーズ・バレエ団
■スターダンサーズ・バレエ団総監督小山久美のプレトークを聞く。 作品の振付などを簡単に説明してくれた。
緑のテーブルを囲む黒服の紳士たちは政治を語っているのかしら? 次の場面からは有無を言わせず戦場の真っただ中へ。 そこで闘う兵士や市民には死神がいつも寄り添っているの。 音楽も振付も大袈裟だが悲劇的にならず柔らかみもある。 2台のピアノが舞台を仕切る。 ブレヒトとの親近性もみられる。 戦争に巻き込まれた人々が、鎌の替りに血で汚れた旗を持つ死神に先導され踊る場面はベルイマン監督の「第七の封印」そのもの、まさに死の舞踏といえる。 再び紳士たちは緑のテーブルを囲み語り合う。 でも問題解決は先延ばしかしら?
1930年頃の舞台は当時の音楽・演劇・舞踊・映画を引用し混ざり合い大戦に挟まれた時代の雰囲気をつくりだすの。 そして再び戦争がやってくる予感で幕が下りる。