■毛皮のヴィーナス

■作:デヴィッド・アイヴズ,翻訳:除賀世子,演出:五戸真理枝,出演:高丘早紀,溝端淳平
■シアタートラム,2022.8.20-9.4
■この芝居の注目はオーディションという設定にある。 つまり劇中劇の面白さだ。 「裏舞台もの」の楽しさ、たとえば演出家と俳優の関係逆転もある。 舞台好きにはたまらない。
しかしこの作品はとても難しい。 いわゆるマゾヒズムを論じているのだが、ギリシャ神話や聖書、歴史や慣習が随所にでてくる。 西欧精神の硬さを強く感じる。 しかも現代のジェンダー問題に繋がっていく。
・・女優ワンダと演出家トーマスの100分二人芝居だ。 美術はすんなり入れる。 前半は内側の劇が芝居がかっていて違和感があった。 ワンダの喋りが棒読みの為だ。 科白にこびり付いている西欧の垢に戸惑ったのだろう。 いや演出かもしれない? 後半はよくなる。 外と内は次第に溶け合っていく・・。 ところで尿瓶劇場はどこにあるのだろう?
「ご主人様!」と聞くと寺山修司の舞台を思い出してしまう。 それは形を変え三島由紀夫に辿り着く。 この作品はロマン・ポランスキー監督で2015年に観ていた。 ポランスキーの糞真面目さがでている傑作だ。 演出家五戸真理枝は劇中劇が好きなようだ。
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