■グッバイ・ゴダール

■監督:ミシェル・アザナビシウス,出演:ルイ・ガレル,ステイシー・マーティン,ベレニス・ベジョ他
■アマゾン・配信(フランス,2017年作)
■雑誌「リュミエール」に蓮實重彦と武満徹が涙を流しながら抱き合っている記事を思い出してしまったの。 二人はA・タルコフスキーを観て涙が止まらなかった・・。
タルコフスキーで私は涙を流したことはない。 でもJ=L・ゴダールは何度もある。 1980年代の「パッション」以降、彼の作品の幾つかは涙が止まらない。 特に1990年代に入ってから、たとえば「愛の世紀」「新ドイツ零年」などなど。 喜怒哀楽とは別の涙ね。 映画的・音楽的リズムや演劇的・劇的とも違う。 ゴダールは新しい映画芸術の涙=感動を私に与えてくれた。
「グッバイ・ゴダール」はアンナ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化したものらしい。 彼女はR・ブレッソンの「バルタザールどこへ行く」に、ゴダールでは「中国女」から「万事快調」まで出演している。 素人の感じがいつも離れなかった。 ブレッソンの影響が続いたのかしら? それはゴダールの当時の方針にも合っていたのかも。 今回の作品は夫婦からみたゴダールの裏側が見えて楽しかったわよ。 そして本当に最後になってしまった・・、グッバイ ゴダール!