■ウィルを待ちながら Waiting for Will

■作・演出:河合祥一郎,出演:田代隆秀,高山春夫
■こまばアゴラ劇場,2021.7.2-11
■「ゴドーを待ちながら」の形を取り入れシェイクスピア作品から抜粋した台詞群で作られた芝居なの。
二人の掛け合いが楽しい。 彼らは名前からとったタカとハルで呼んでいたかしら? 二人が出演した過去の実舞台の話を入れ、「マクベス」魔女場面では鍋を囲んで酒を酌み交わしたりする。 途中に落語まで入る。
しかし老いや死について語ることが多い。 特に「リア王」ドーヴァー断崖場面が繰り返し演じられる。 シェイクスピアの40作品から抜粋したから物語は薄くなるが、逆に舞台と現実、役者と現実が入り混じって奇妙な舞台が現前してくる。 ウィルは遺言と言っていたわね。 シェイクスピアの科白を役者(自身)の遺言のように語り、観客は劇中劇中劇・・に巻き込まれていく。
字幕は日本語と英語、作品名と幕場が表示されるので分かり易い。 原作の面白さと繋がっている舞台だった。 会場はいつもと違った客層にみえる。 やはり演劇系より文学系かしら?
*シビウ国際演劇祭招聘作品
*Kawai Project公演