■砂女

■原作:安部公房,演出:ペーター・ゲスナー,出演:後藤まなみ,荒牧大道,松尾容子ほか,劇団:うずめ劇場
■調布市せんがわ劇場,2021.7.28-7.29
■それにしても男は忙しすぎる。 自由というものを失いたくないからでしょう。 ヘビースモーカですか? 苛立ってもいる。 しかし生物本能には抗えない。 それは性の欲望と生の継承です。
女との営みで彼は人間生物の道へ戻ることに悩む。 その後、女の出産でその道を歩き続けることに満足していく。 それを共同体がしっかり後押しする。 共同体=権力は道を外れないで自由を考えろと言う。
砂をどのように表現するのか? 考えてしまいます。 今回は映像や音響で表現しましたね。 これが成功したかどうか? 砂がもう一つの共同体=自然として迫ってきたら成功でしょう。
そして二人の住居を具体?それとも抽象?にするのも悩ましい。 砂と同じにするのは勇気がいる。 前者を選んだ舞台は、二人が共同体から外れてしまった河原乞食のようです。 外部が弱まってしまったことは確かです。
勅使河原宏監督の映画を観た記憶がある。 圧倒される砂の中で女役の岸田今日子が壺から取り出したラッキョウを食べる場面は鮮明に覚えています。
*うずめ劇場第35回公演
*シビウ国際演劇祭2021招聘作品
*「ブログ検索」に入れる語句は、 ゲスナー