■聖獣

■振付:平原慎太郎,出演:OrganWorks
■世田谷パブリックシアター,2019.7.19-20
■バラエティのある舞台でした。 「動きのベースは昆虫を想定し・・、個よりも種を尊重する・・」と演出家は言っています。 でもいろいろな類を感じ取れた。 昆虫を意識するのは振動です。 類が複雑になると振動がリズムに変換されていく。 この舞団は先ずは両生類や爬虫類から始まる。
裸の舞台を上手く使いこなしていました。 床マットの皺は観ていて不安が過りましたが問題なく処理できていた。 奈落の使い方も面白い。
この劇場でコンテンポラリーダンスを観るのは久しぶりです。 余裕を感じます。 いつもはシアタートラムでの上演が多い。 今日の舞台を観ているとトラムがダンスに適していない劇場だと分かります。 トラムの中途半端な舞台の広さや形の不規則が多くのダンス公演に影響を与えている。 劇場の設計は大事ですね。
話を戻しますが、科白が入りましたね。 これも不安がよぎりましたが上手く挟み込んでいた。 ダンサーたちの雑声がフェードアウトになりダンスに溶け込んでいったからです。 詩と同じです。 科白は意味を追うために一瞬の間ですが己が身体から離れてしまう。 今回は心身一体化し続けることができた。 バラエティダンスと名付けてもよい舞台でした。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/performances/organworks201907.html
*「このブログを検索」に入れる語句は、 平原慎太郎