■ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス

■監督:ルーシー.ウォーカー,出演:オマーラ.ポルトゥオンド,マヌエル.ミラバール,バルバリート.トーレス,イブライム.フェレール,ルベーン.ゴンザレス他
■アップリンク,2018.8.25-(イギリス,2017年作品)
■「あれから18年経った」今回の作品がどのような内容になるのか想像できなかった。 18年前、出演者は既に爺婆ジジババだったはず・・。
W・ヴェンダース監督の前回作品(1999年)は編集が良かった。 出演者の公演の様子・日常生活・生い立ち・音楽との関わりをインタビュー形式で進め、一人ひとり積み重ねてBVSCを素晴らしい姿にまとめていました。
なんと今回も前回フィルムを新編集して上手に作られている。 前半は一人ひとりにフォーカスを当てながら1999年を起点にして19世紀末葉まで遡っていく。 それは奴隷制度に始まり、スペインからの独立戦争、苦しいバティスタ政権時代、そしてカストロが登場するキューバ革命が実写と共に語られる。 これにアフリカから引き継いだキューバ音楽を重ねていきます。 メンバー達の若いころの活動映像は興味が尽きません。
後半は1999年以降に話が移っていく。 でも老化は待ってくれない。 多くのメンバーの葬儀が映し出される。 残ったメンバーで2015年米国ホワイトハウス公演、若いメンバーを加えて2016年アディオス・ツアーのハバマ公演で幕が下りる。
カストロも革命にはキューバ音楽が欠かせないという認識を持っていた。 この幾つもの時代を受け継いだBVSCの演奏がキューバ音楽史としても迫ってきました。 キューバ国民と歴史を強く意識させる作品です。 でも一番はメンバーたちの最後まで前向きな行動力に元気づけられたことですね。
*作品サイト、http://gaga.ne.jp/buenavista-adios/
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