■夏への扉

■原作:R・A・ハインライン,翻訳:福島正美,脚本:成井豊,真紫あずき,演出:成井豊,出演:キャラメルボックス
■サンシャイン劇場,2018.3.14-25
■戯曲の読み合わせをしているような舞台である。 ト書きもちゃんと登場人物が喋る。 猫も喋る。 大道具小道具の移動はテキパキしている。
役者たちが事務処理作業をしているような演技にみえる。 しかも契約の話が頻発に上る。 会社の設立、公証人や弁護士の登場、保険会社との契約上の権利・義務の遂行など次から次へと出てくる。 台詞も動きも物語も全てが理論整然と進んでいく。
しかしどうも面白くない。 会社で仕事をしているようだからである。 もちろん芝居という仕事である。 同時に珍しい舞台表現だと感心しながら観ていた。
演出家が「あまりの感動を!・・」したのでこの作品は劇団員の必読書になっているらしい。 タイムマシーンや人工冬眠、ロボットなど登場するが60年前の作品なので今となっては欠点だらけだが20世紀戦後のアメリカらしい躍動感がある。 この作品に感動する人は「時をかける少女」と同じような興奮を持つのだろうか? それなら分かるが・・。 ともかく仕事を観て来たような観後感だった。
*CoRich、https://stage.corich.jp/stage/90001