■お國と五平

■作:谷崎潤一郎,演出:伊藤全記,出演:山口真由,中山茉莉,加藤好昭,劇団:7度
■サブテレニアン,2017.10.5-7
■幽霊になった友之丞が過去を語る劇中劇の構造です。 夫の敵討の為お國は従者五平を引き連れて友之丞を追う・・。 友之丞の髑髏が吊るされていて緊張感溢れる舞台でした。
お國と五平の対話で成り立つ物語前半は敵役友之丞が二人の科白を担当する。 でも二人を演ずるのは別の役者です。 二人は下着姿で無言でゆっくりと歩き絡み合う。 ときどき友之丞と斉唱のように台詞を喋ります。
後半、二人が友之丞と対面してからは三人の科白に戻ります。 五平が友之丞を切り殺す場面はありますが前半と同じゆっくりとした動作で事が続いていく。 そして友之丞が劇中劇の外に出て心情を語り美空ひばりの歌を聴きながら終幕となります。
芝居回数の多い作品と聞いています。 友之丞のお國への複雑さの有る一途な想いが観客の心を揺さ振るからでしょう。 友之丞が幽霊になっても再びこの世に出てきたい、そして語りたいのが痛いほど分かります。
*板橋ビューネ2017「生活者の表現を取り戻せ」参加作品
*劇場、https://itabashi-buhne.jimdo.com/archive-1/2017-archive/