■壁蝨

■作・演出:加藤拓也,出演:劇団た組,歌・演奏:橋詰遼
■シアタートラム,2017.9.29-10.1
■タイトルが読めなかったので調べると「ダニ」だに。 初めて観る劇団なのでウキウキしました。 30才前後の男性客が多い。 でも劇場に縁が薄い客層の為か少し不安です。
幕が開いて細かいリズミカルな動きと科白で作品に慣れを感じました。 観ていながら柴幸男・藤田貴大の舞台が一瞬過ぎる。 繊細感が似ているからでしょう。
しだいに母と娘の家族史らしいことが分かってきます。 娘は学校で虐められている。 性と結婚の話がとても多い。 いつしか娘は結婚し一人娘を産みます。 その子供が成長し学校で友人を虐めてしまう。 終幕、母の死を通して娘は子供に母から受けた同じ愛情を注ぐことに決める。 そして人生が世代回転していく・・。
表面はPOP調で明るく裏は歌謡曲調で濃影の有るホームドラマです。 橋詰遼のギターと歌が人生の虚しさを語ります。 母娘物語なのでチラシを見直すと男性演出家でした。 人生を上手に要約していますが発酵させればもっと熟成するはずです。
客層のことですが観終わって考えました。 今時の30才前後の男性は女性の一生がどういうものなのか知りたがっている。 母と一人娘の家族構成が多くなっていることもあるのでしょう。 役者ファンが居るようにはみえなかった。 ところでダニとヒトが似ているような話もあったが良いタイトルにはみえません。
*劇団サイト、https://takumi.themedia.jp/posts/archives/2017/06