■VOYAGERボイジャー

■演出:花房伸行,音楽:金子ノブアキ,出演:enraエンラ
■世田谷パブリックシアター,2017.9.8-10
■パフォーミング・アーツ・カンパニーとはどんな舞台を見せてくれるのだろうか? 観客が宇宙船に乗り込んで月・木星そして宇宙へ飛び立つ想定らしい。 手前ピットには演奏家数人が入り舞台は7mX10mくらいのスクリーンを貼り映像を映し出す。
ダンサーたちは背景映像とコラボをとりながら踊る、というより動き回る感じだ。 バレエの振付やストリートダンスそして曲芸まで飛び出す。 映像はセンサー経由でリアルタイムに同期しているようには見えない。 それでもダンサーたちは映像に従属した動きをする。 前半は硬さがみられたが後半は身体が滑らかになったようだ。
しかし宇宙旅行はいつのまにか解体してしまった。 それらしき映像はあったが宇宙の深淵な時間・空間が表現されていない。 またドラマーの金子ノブアキを含め演奏は熱演だったが宇宙とドラムは合わないのでは? ダンサーたちも舞台状況とは切り離されていて踊りに無意味さを感じた。 アトラクション性の強い映像の優位性がその原因だとおもう。 真面目な現代風見世物小屋を覗いてきた観後感が残った。
*劇団サイト、http://enra-voyager.com/