■FALLING GOOD SUN

■振付:大橋可也,ドラマトゥルク:長島確,音楽:涌井智仁,映像:吉開菜央,出演:大橋可也&ダンサーズ
■豊洲シビックセンターホール,2017.9.21-22
■この劇場は上手と正面がガラス壁で出来ていて外の景色が望める構造になっています。 17時の開演からは少し暗いが太陽光だけで舞台を照らしています。 11人のダンサーは寝転がり動きがほとんど無いので芋虫のようです。 お尻を観客に向けているので人体のシルエットがふっくら美しく感じられる。
ダンサーを忘れて珍しい外の景色に目が向かってしまいますね。 豊洲公園を行きかう人々、晴海大橋のクルマの動き、その先にあるレインボーブリッジを走る車もライトの動きで分かります。 遠くには浜松町あたりのビル群の窓明かりが夕日が沈むとともに多くなっていく。 夕焼けも少しばかり空を赤く染めています。 何故17時開演なのかそしてチラシに日没時刻も記載されていたのか? 理由がここで分かりました。
ところで劇場の上手側に新しい建築工事が入っている。 これができると今の素晴らしい風景が遮られてしまいますね。
周囲が暗くなってから照明や映像で舞台を賑やかにしていきます。 寝転がっていたダンサーたちは立ち上がりゆっくりした動作で踊るというより動き回っています。 それにしてもダンサー達の存在感が薄い。 やはり外の風景が影響しているのでしょうか? 東京湾沿いの夜景をみていると「土地の記憶を吸う吸血鬼」には見えません。 このような劇場では他人事のように舞台をみてしまう。 演出家も苦労しているようでしたが19時半開演の第二部「BAD MOON RISING」を観なかったのでなんとも言えない。 個性ある劇場での観客は集中力と散漫力を上手にコントロールする必要があります。
*劇団サイト、http://dancehardcore.com/topics_theworld_2017.html