■イマジネーション・レコード

■振付:矢内原美邦,出演:Nibrollニブロール
■神奈川芸術劇場・大スタジオ,2017.8.29-9.3
■力強い足音で暗闇の中から現れて足跡が暗闇に消えていく。 激しく歩く姿が目に焼き付きました。 舞台の前半は暗さがあります。 衣装のせいもあるでしょう。 暗い水玉模様を何回か着替えながら明るいストライプに移っていく。
風景のこと、狼少年が来るぞ、出来事の時間経過について科白が語られます。 動きに合わせて激しく喋るので鬱積した時代の生きずらさが感られる。 デジタル時間表記やオオカミ少年は情報化社会を生きていく辛さが表れています。 風景を記録することも強迫的にみえる。 追い詰められていますね。 その活況場面で映像を面白く表現すればするほどダンスは薄くなってしまう。 映像も曲者です。 そして記憶と時間の関係も一筋縄ではいかない。 「生きられる時間」を取り戻すにはどうしたらよいのか? 舞台を観ながら考えてしまいました。
ダンサーたちは若さが溢れ出ていた。 振付や科白から飛び出そうとする力がみえました。 演出家の意図を良い意味で純粋にしていました。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/nibroll