■三文オペラ

■作:B・ブレヒト,脚本:S・スティーヴンス,演出:R・ノリス,出演:R・キニア,R・クレイグ,H・グウィン
■TOHOシネマズ六本木ヒルズ,2017.6.16-22(オリヴィエ劇場,2016年収録)
■ぐいぐいと引き込まれるゥウー。 歌詞に潜んでいる性と暴力を歌手が直截に歌うから力強い舞台になっている。 役者たちの切れ味も良い。 このため舞台上すべての輪郭がクッキリ現れるので頭にビシビシ響いてくる。 当時の貧民街のヤクザや乞食、警察や娼婦の世界が想像できるの。 親子や結婚の意味付け、戦争仲間などの人間関係もね。
だから恩赦の場面は気が抜けてしまう。 緊張を持続させるためには終幕をテキパキ処理して上演時間は3時間にすべきね。 これをみると日本製舞台はぬるま湯に浸かっている感じがする。 「三文オペラ」の深層に辿り着いたという確信を持てたわ。
*NTLナショナル・シアター・ライヴ作品
*映画comサイト、https://eiga.com/movie/86630/