■ブリッジ

■作・演出:松井周,劇団:サンプル
■神奈川劇術劇場・大スタジオ、2017.6.14-25
■舞台は円形劇場風で中央にカーテンのような緞帳が下がっている。 役者たちは司会者の真似をしたり寸劇を入れたりして時には観客を笑わせながら進めていきます。 テレビのバラエティ番組をスタジオで観ているようですね。
ストーリーは単純なようですがまとめ難いのでチラシの一部をそのまま載せます。 「モツ宇宙(コスモ)という腸の世界を宇宙の始まりと考えるコスモオルガン協会の信者たちによる、・・」。 要約すれば「救い」の話です。 悩みを持っている人々が悩んでいる理由や教団ジョージと出会った経緯などを話し演じながら入会していくところを描いていきます。
「人々は「やや神」がいたらいいなあと思っている。 そして国家も科学も中途半端な神でしかないことはなんとなく分かっている」。 そこに「やや人間」を向き合わせる。 つまりフィクションを演じていく人間です。 「名前を貼り付け、衣装をまとい、家族や友人のように振る舞い、言葉を操り、ルールに従う・・」。
劇団サンプル10周年記念作品ですがここで活動を休止するらしい。 常に「変態し続けてきた・・」と演出家も言っていますが、動物の成長過程・植物の器官変形そして今回の舞台でも多彩に演じられた性欲嗜好としての「変態し続ける」ことこそが「やや神」と「やや人間」が出会う為の原動力です。
*劇場サイト、http://www.kaat.jp/d/the_bridge