■ABSOLUTE ZERO,絶対零度2017

■出演:勅使川原三郎,佐東梨穂子
■世田谷パブリックシアタ,2017.6.1-4
■舞台をみて勅使川原三郎はプロと言うより職人ダンサーを感じます。 彼の振付や動きはもはや職人芸です。 作品は4章で構成されている(?)。 
1章は二人の精密な腕の振りを中心にした速い動きで進みます。 佐東もピタリと彼に付いていきます。 痺れますね。 2章へ行く前に女性のワンピース姿の白黒連続写真が映し出されるのには戸惑います。 古さを感じます。 2章では音楽がピアノに変わり二人の動きはスロウダウンしていく。 最初はぎこちなかったが途中からシックリしてきました。 3章以降は勅使川原のソロになります。 手を加えた動きで身体や顔を撫でたりしてパントマイムを見ているようです。 見事と言うしかない。 天井から大きな女性の写真が下りて来る。 そして背景が青一色にかわり長い静止状態を組み込んだフィナーレで終章をまとめます。
見応えがありました。 特に1章は息を呑みました。 長いスパンでは年齢を感じるが瞬時瞬間にはそれを意識させない。 佐東が後半登場しないのはもったいない。 満足度十分ですが観後のスッキリ感が訪れない。 観客の自由度が少なかった為だと思います。 映像や写真は意味付を強要します。 絶対零度ですから意味も凍らせてほしかった。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/performances/201706absolute.html