■イオランタ  ■青ひげ公の城

□イオランタ
■作曲:P・チャイコフスキ,指揮:V・ゲルギエフ,演出:マリウシュ・トレリンスキ,出演:A・ネトレプコ,P・ペチャワ
■東劇,2015.3.28-4.3(MET,2015.2.14収録)
■G・オキーフを思い出すわね。 「エフゲニ・ネオーギン」はA・ワイエスだった。 チャイコフスキはアメリカ美術に馴染むのかしら?
舞台は時間がゆっくりと過ぎていくの。 歌唱が安定していたから尚更ね。 チャイコフスキ(?)の思想が詰まった作品にみえる。 「見るとはどういうことなのか?」。 視覚に依存しがちな現代を窘めているようね。 一元論的な自然観・生命観に始まり終幕に近づくほど宗教を感じるの。 でもロシア正教との繋がりはわからない。 宗教歌劇の一つだとおもう。
□青ひげ公の城
■作曲:バルトーク・B,指揮:V・ゲルギエフ,演出:M・トレリンスキ,出演:N・ミカエル,M・ペトレンコ
■四角の枠で空間を仕切るのは「イオランタ」と同じ。 この形は舞台に集中できるの。 ユディットは金髪に緑の衣装。 化粧も含めるとT・レンピッカの作品から飛び出てきたようだわ。 心の影をもっと表現してもよかったけど。
緊張感ある詩的な舞台だった。 歌詞と歌唱と音楽が絶妙! オペラのように動きの少ないほうが似合うのかもしれない。 寺山修司作は観ているけどこのような感動は初めてよ。 でも映像の多用は折角の舞台を台無しにしていた。 序でに7扉の女たちはP・デルヴォーのシュールさを表現したら面白いとおもう。 そして東欧美術で固めるの。
解説でJ・ディドナートは二本立ての効果を言っていたけどそうは思わない。 光と闇がお互い打ち消し合ってしまったから。
*METライブビューイング2014シーズン作品
*作品、https://www.shochiku.co.jp/met/program/s/2014-15/#program_08