■マノン・レスコー

■作:G・プッチーニ,指揮:P・G・モランディ,演出:G・デフロ,出演:S・ヴァッシレヴァ,G・ポルタ,D・イェニス,妻屋秀和,望月哲也
■新国立劇場・オペラハウス,2015.3.9-21
■ル・アーブルの港はNASA宇宙センターのロケット発射場のようね。 そして行き着いた先はニューオーリンズではなく火星! 火星での赤い岩と赤い夕日、そして青い闇の中でマノンとデ・グリュは息絶えてしまう・・。
ここまで行くと天晴と言うしかない。 でも白を基調とした無機質美術で音楽と歌詞に集中できたわよ。 衣装がとても映えていた。 独特な詩的舞台が出現したと言っていいかもね。
しかも悪者が一人も登場しないの。 ジェロントは丸みのある道化師だし、マノンもファム・ファタールのようには見えない。 兄も優しい。 歌唱もこれに沿っている。 東日本大震災との関係かな? 風景と共に抽象的情念が舞台を覆っているの。 21世紀のマノン・レスコーの姿かもしれない。
*NNTTオペラ2014シーズン作品
*劇場サイト、http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150309_003712.html