■砂の骨

■作・演出:中津留章仁,劇団:トラッシュマスターズ
■シアタートラム,2015.3.6-15
■浮浪者が住み着いている公園が舞台です。 こに机や卓袱台を置いて外食企業の職場や社員アパートの一室に早変わりもします。 この職場で過労死や非正規社員強制解雇やパワハラなどが発生しますが、社員は浮浪者の支援を得て組合結成へと進めていきます。 また社員家族の東日本大震災への係わりや政治家誘拐事件も有ります。 なんとT・ピケティの本も登場します。
働く目的は? この問答が何度も台詞にのぼります。 労働条件の悪化の解決策として組合組織の強化を進める。 役員からパワハラを受けている旧店長もこれに期待します。 ここで幕になってしまった。
中途半端にみえるのは詰め込み過ぎなのでは? 「ピケティは過去・・、舞台は現在・・」と演出家は書いています。 この舞台は現在を詰め込み過ぎて身動きができなくなってしまったのです。 ユニオンも描けていない。 砂の落ちる場面が未来への扉でしょうか?
ところで元俳優の浮浪者がカネのため自分の足を切断してしまう。 あの鋸の音が··、芝居ファンとして直視できない! 俳優業の厳しさが迫って来ました。
*劇場サイト、https://setagaya-pt.jp/theater_info/2015/03/post_390.html