■石のような水

作:松田正隆,演出・美術:松本雄吉
にしすがも創造舎,2013.12.5-8
ストーカーは現代版イタコですかね。 舞台ではSF場面が日常場面とシックリ馴染んでいないようにみえました。 しかし科白に鋭さがあります。 この鋭さがSFと奇妙に繋がって不思議な混乱が生じていく面白さも出ている。
ですから姉妹や夫婦・友人間の会話に興味が集中しました。 映画監督や建築家は特殊な職業のため舞台にメリハリを持ってきてくれる。 映画や建築の話も面白い。 しかし面白くなればなるほど逆に死者との対話が遠くなっていきます。
要はこの芝居は周辺がうるさすぎたのかもしれません。 A・タルコフスキの作品を参照したようですが、これはタルコフスキの直球に新たな変化球を加えた芝居です。 でも変化球が多すぎてしまい直球がよく見えない複雑な舞台でした。
*F/Tフェスティバル・トーキョー2013参加作品