■リア王

演出:鈴木忠志,劇団:SCOT
吉祥寺シアター,2013.12.12-16
様式をより前面に出してきたようにみえる。 もはや現代能に近い。 このため物語力が弱くなっている。 病院という設定もそうだ。 チラシに陳腐化しているとあったが。 シェイクスピアも遠のいた。 フランス王国やドーヴァ海峡はもはや記号である。
これらに代わり親子・兄弟の家族関係が一層強調されていて、現代の老人問題・家族問題を意識させられる流れである。 グロスターとエドガー親子の会話は感動した。 しかし三姉妹、特にコーディーリアの台詞は少なすぎるのでは。
SCOT版「リア王」は何回か観ているが毎回の感動振幅が大きい。 それは3カ国語、2カ国語、1カ国語があり、SCOTでは長すぎる2時間という上演時間にもある。 緊張するので観客の精神状態も影響するのだろう。