■ノーラ

原作:H・イプセン,演出:ラドゥ・アレクサンドル・ニカ,出演:ラドゥ・スタンカ劇場
あうるすぽっと,2013.12.4-5
舞台は出入口が三つある極端に遠近のある白い部屋でできているの。 とても簡素ね。 公演は2回だからお金はかけられない。 場内に入ると「家族と仕事と・・どちらが大事?」と、インタビュー映像が流れているのには意表を突かれたわ。
答えの半数は仕事。 理由は「仕事が無ければ家族を養えない」。 残りの答えは家族と両方が半々。 インタビューの結果がそのまま舞台の結論ね。 つまり仕事上罠に嵌るのを避けることができたことで、ノラが家を出る必然性が弱くみえてしまった。
ノラの表現があやふやだったのも一因だけど、現代はトルヴァルの仕事が優先するのね。 春に観た「ルル」がとても面白かったので期待していたけど、ちょっと雑な感じがしたわ。 スタンカ劇場のギラギラした深みのある存在感が不発だった。
クログスタの環境問題の話も突飛すぎる。 そしてノラのダンスはどうしようもなく下手だったけどこれは演技かしら? 女の子のほうが上手かったわよ。
*第2回現代イプセン演劇祭参加作品